税務調査の流れと日数|事前通知連絡から当日・終了までを解説

税務署から税務調査の連絡が来たら「何を準備すればいいんだろう」「当日は何を聞かれるの?」「何日くらい仕事が止まるんだろう…」と、不安になるでしょう。

一般的な税務調査は、日程調整、資料の準備、当日、その後の追加確認や結果の説明、必要に応じた修正申告・納税、という流れで進みます。

ここでは、個人事業主や小規模法人に対する、通常の実地調査を中心に説明します。

気になること結論
税務調査の流れ事前連絡→準備→当日→追加確認・結果説明→必要に応じて修正申告・納税
訪問される日数小規模な調査は2~3時間のことも。法人では2〜3日程度が多いが、内容次第
訪問が終われば終了?後日の資料提出や確認が続くことがある
最初にすること対象の税目・年分・日時・必要資料を確認し、不安なら税理士に相談する
目次

税務調査の流れ|事前連絡から終了まで

全体の流れは、次のとおりです。

段階主な内容やること
1.事前連絡・日程調整(電話)調査する税目・年分・開始日時・場所などの連絡内容を控える
2.調査前の準備帳簿・申告書・取引資料などの用意、確認不安なら税理士に相談
3.調査当日事業のヒアリング、帳簿や資料の確認質問に答え、必要な資料を提示
4.終了手続・申告修正が不要なら通知。必要なら修正申告指摘の理由・金額を確認
5.納税追加の税金や加算税・延滞税の確認納付する

税務調査の日数|訪問日数と終了までの期間は別

税務調査は、実地調査が終わってからもそれなりに時間がかかります。

  • 調査官が事務所や店舗などに来て、確認する日数
  • 事前連絡から、結果の説明や申告・納付などが終わるまでの期間

この2つを分けて考えましょう。
実地調査自体は1日で終わっても、その後税務署からの連絡待ちで数週間、数か月かかることも多いのです。

訪問日数は、事業の規模や確認内容によって変わる

事前通知では、法人の場合は2日、個人事業主の場合は1日と言われるかと思います。

私のこれまでの経験では、実地調査は、法人であれば通常2日、長くて3日。
一方、小規模な個人事業主では、2時間程度で終わったこともあります。

もちろん事業の規模や争点となる論点の有無にもよります。
追加の訪問が必要になることもあるでしょう。

終了までの期間は、追加資料や論点の有無で変わる

調査官が帰っても、税務調査が終わるまではもう少し時間がかかります。
彼らが持ち帰った資料を確認する時間、最終的な着地を決める時間がかかるためです。

調査官ひとりで決めるわけではなく、部門全体や統括官(部署を統括するお偉いさん)の決裁が必要なためだと思われます。

法人で大掛かりな調査の場合、実地調査後、数か月かかるなんてこともザラです。
その間に、電話や郵送でのやり取りがあることも。

シンプルな内容であっても1か月くらいはかかる印象です。基本的にこの期間は税務署からの連絡待ちをすることになります。

税務署からの事前連絡と日程調整

通常の実地調査は、原則として事前連絡がある

通常の実地調査は、原則として事前に連絡があります。電話で行われるのが基本です。

顧問税理士がいる場合は、税理士を通じて連絡が来ます。

ただし、事前通知をすると調査に支障が出るおそれがあると判断された場合など、予告なく行われることもあります。
小売業やBtoCサービス業(美容室など)の場合が多いでしょうか。現金取引が多い業種ですね。
勤めていたころに一度だけ経験があります。

税目・年分・日時・必要資料を確認する

連絡を受けたら、少なくとも次の事項を控えておきましょう。

  • 担当者の氏名、所属、連絡先
  • 調査の対象となる税目と年分・事業年度
  • 調査を始める日時と場所
  • 用意する帳簿や書類

予定が合わない場合は、その場で相談します。

顧問税理士がいなければ、早めに相談する

申告内容に不安があれば、スポットで税理士に依頼することも検討しましょう。

私は、顧問税理士がいない場合、税務調査への対応経験がある税理士に相談することをおすすめしています。
否認されそうな項目の整理とその対応を事前に行っておけば、調査結果は大きく変わるからです。
ご自身だけで対応された場合、調査期間が7年に延びる+重加算税(重い罰金)がとられるようなケースでも、事前に修正申告などの対応をしておけば、5年+重加算税回避することもじゅうぶん可能です。

調査立ち合いに税理士がいるというだけでも、現場の空気は変わりますし。

資料を確認し、事実関係と税務上の判断を整理する時間が必要なので、調査当日の直前より、早めに連絡すると良いでしょう。
単に当日立ち会ってもらうだけでなく、事前の帳簿確認や、訪問後のやり取りまで、どこまで依頼できるかも確認しておきましょう。

税務調査までに準備する帳簿・書類

準備する資料は、事業内容や調査対象によって変わります。まずは連絡された範囲を確認し、そのうえで取引の流れをたどれる状態にします。

資料の区分主な例
申告・決算関係申告書、青色申告決算書など
帳簿・会計データ会計ソフトのデータ(総勘定元帳、仕訳帳)
売上・仕入・経費関係契約書、請求書、領収書、納品書、取引明細など
入出金関係通帳、入出金データ、カード明細、決済サービスの明細など
在庫・固定資産関係棚卸表、資産の購入資料、固定資産台帳など
給与・外注関係給与台帳、雇用契約書、源泉徴収関係書類、外注契約書など

データで保存している資料は、確認できる状態にしておきます。メールなどで受け取った請求書や、ネット上の取引明細にも気を付けましょう。

気になる処理は、事前に税理士と確認する

資料を確認していると、売上の計上漏れや、私的な支出が混ざっていることに気づく場合があります。

その場合は、元の資料を残したまま、何が間違っているのかを整理します。修正申告が必要か、行う場合の時期や加算税の取扱いについて、税理士と確認しましょう。

税務調査当日の流れと質問される内容

最初は、事業内容や仕事の流れを確認する

一般的な法人の調査では、最初に社長などから話を聞き、会社の事業内容や取引の流れを確認することがあります。

  • どのような商品やサービスを扱っているか
  • 仕事を受注してから、納品・請求・入金するまでの流れ
  • 現金や通帳、請求書を誰が管理しているか
  • 従業員や外注先が、どのような仕事を担当しているか

創業の経緯や家族の関わりなど、一見すると税金に関係なさそうなことを聞かれる場合もあります。

たとえば、「どんな商品を扱っていますか?」という質問は、その商品の売上が帳簿に入っているかを確認する手がかりになります。「外注先への支払額はどう決めていますか?」という質問は、契約や働き方の実態を確認するためかもしれません。

調査官は、まず仕事の実態を理解し、その内容と帳簿・資料につじつまが合っているかを確認していくわけです。
「できる調査官は、帳簿や領収書なんて見ない。社長の目を見ている」なんて言われたりもします。

帳簿や資料を確認し、必要に応じて質問を受ける

その後、帳簿、請求書、領収書、入出金記録などの確認が進みます。
私の経験では、初日の午前にヒアリング、午後から帳簿などの確認という進み方が多いですね。

よく確認されるのは、売上の漏れ、計上する年や事業年度のずれ、在庫、経費の内容などです。
経費では給与や外注費、固定資産、大きな出金をよく見られるでしょう、

個人事業主の場合には、仕事と私生活の支出が混ざっていないか、自宅の家賃や光熱費の按分に根拠があるか、といった点も重要です。

調査中も、質問に対応できれば仕事を進められる場合がある

調査官が帳簿を確認している間、事業者側がずっと横に座っていなければならないとは限りません。私が立ち会ってきた調査でも、必要な質問に対応できるのであれば、デスクワーク程度の仕事はしていただいています。

訪問後の追加確認・調査結果の説明・終了手続

追加資料や質問への対応が続くこともある

訪問が終わった後に、追加の資料や説明を求められることがあります。
電話や郵送などで対応します。

修正が不要な場合は、その旨の通知を受ける

実地調査の結果、更正や決定をする必要がないと認められた場合には、その旨が書面で通知されます。実務では「是認」と呼ばれることもあります。

税務調査が来たからといって、必ず追加で税金を払うわけではないわけですね。

指摘内容に納得した場合は、修正申告へ進む

修正が必要とされた場合は、何が誤りなのか、金額と理由の説明を受けます。修正する項目、対象となる年分・事業年度、追加の税額を確認し、内容に納得したうえで修正申告へ進みます。

流れとしては、「指摘内容と税額を確認→修正申告書を作成・確認→提出→納税」です。提出日には納付もできるよう、必要な資金や納付方法を先に確認しておきましょう。

修正申告書を作成し、e-Taxや書面で提出

税理士がついている場合は、税理士が修正申告書を作成するか、税務署が用意した修正申告案を税理士が確認して進める場合もあります。

税理士がいない場合は、まず調査担当者に、申告書の作成・提出をどのように進めるか確認しましょう。税務署から修正案を示された場合も、そのまま提出するのではなく、元の申告から何が変わり、いくら追加で納めるのかを確認します。

追加の本税・延滞税・加算税を納付

修正申告で追加になる税金の納期限は、修正申告書を提出する日です。

過少申告加算税や重加算税などは、税務署から賦課決定の通知を受け、通知された納期限までに納付します。

指摘に納得できない場合は、根拠を確認して説明

ここからは形式上というか、レアケースの話になりますが…
修正申告に応じるかどうかは任意です。

税務署と見解が一致せず修正申告をしない場合は、税務署が税額などを変更する「更正」などの処分を行うことがあります。その処分に不服があれば、原則として通知を受けた日の翌日から3か月以内に、税務署長への再調査の請求か、国税不服審判所長への審査請求ができます。審査請求の裁決を受けても納得できない場合には、裁判所に訴訟を起こす方法もあります。

(こうならないようにするのが税理士の仕事でもあると思っています)

税務調査への対応で大切なのは、事実と資料に基づく説明

私が直近で対応した個人事業主の税務調査でも、経費の按分や副業の所得区分など、税務署と見解が分かれる点がありました。こちらの説明が認められた部分もあれば、修正した項目もあります。

調査で誤りがわかった処理は、翌年以降の帳簿や申告でも繰り返さないように見直します。

場面押さえておきたいこと
連絡を受けたとき税目・年分・日時・必要資料を控え、早めに税理士へ相談
調査前帳簿と資料を整理し、気になる処理の根拠を確認
調査当日事実を答え、わからないことは確認してから回答
訪問後追加資料や指摘の理由を確認し、必要な説明を行う
申告・納税修正内容を理解して提出し、本税・延滞税・加算税の納付を確認

連絡を受けたら、まずは対象となる年分と必要な資料を整理し、税理士に相談してみてくださいね。

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この記事を書いた人

千葉県柏市の入野拓実税理士事務所。税務顧問、スポット相談、相続税申告に対応。税金計算だけでなく、会社と個人にお金を残し、数字を経営判断に役立てるサポートを行っています。

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