税理士の探し方・選び方|契約前に確認したい7つのポイントを税理士が解説

税理士をどうやって探せばいいか。

ほとんどの方にとって、税理士を探す機会なんて人生で何度もあるものではありません。ネットで検索してみても、ホームページには「親身に対応します」「経営者に寄り添います」と似たようなことが書いてある。何を基準に決めればいいのかわからないのは当然だと思います。

私が税理士選びで大事だと思っているのは、大きく分けて「守備範囲」と「相性」の2つです。

判断軸見るところ
守備範囲自分が相談したいことを扱っているか、業界を理解できるか
相性話しやすさ、説明の仕方、レスポンスなどが自分に合うか

もちろん料金も大事ですし、担当者、連絡方法、契約範囲なども確認しておきたいところです。

この記事では、税理士の探し方から、契約前に確認したいポイントまで順番に解説します。

目次

まず、自分が税理士に何を求めるのかを決める

税理士を探すときに最初に考えるべきなのは「自分は税理士に何を求めているか」だと私は思っています。

たとえば、

  • 決算・申告だけお願いしたい
  • 日々の記帳まで丸ごと任せたい
  • 自分でクラウド会計を入力して、チェックだけしてほしい
  • 節税や役員報酬について相談したい
  • 融資や資金繰りについて相談したい
  • 経営の数字について定期的に相談したい
  • 税務調査にも対応してほしい
  • 将来的には相続や事業承継も相談したい

など、何を求めているかを考えてみましょう。

年に1回申告書を作ってもらえれば十分な人と、毎月経営の相談をしたい人では、合う税理士はまったく違います。税理士側にも得意不得意がありますし、そもそも事務所によって提供しているサービスが違います。

税理士なら誰に頼んでも同じ、というわけではありません。

税理士はどこで探す?

税理士の探し方はいくつかあります。

  • Googleなどで検索する
  • 知人や経営者から紹介してもらう
  • 税理士本人のブログ・YouTube・SNSを見る
  • 税理士会の情報から探す
  • 税理士紹介会社を使う

私はこの中なら、ネット検索や知人からの紹介で候補を見つけて、税理士本人の発信を確認してから話す方法をおすすめします。

Googleで検索する

今なら、普通にGoogleで探すのはかなり良い方法だと思います。

税理士本人がブログを書いていたり、YouTubeやSNSで発信していたりすれば、面談する前から、

  • どんな考え方をしているか
  • 何を得意としているか
  • 説明はわかりやすいか
  • 自分と感覚が合いそうか

がかなりわかります。

ホームページのサービス一覧だけでは見えない部分です。

私自身もブログやYouTubeでかなり情報を出していますが、これは単に集客のためだけではなく、「この人に頼んだらどんな感じなのか」を契約前に知ってもらいたいからです。

発信に触れてみて、「この人なら相談しやすそうだな」「話してみたいな」と思える人を探してみましょう。

知人・経営者から紹介してもらう

周りに経営者がいるなら、「税理士どう?」と聞いてみるのも一つの方法です。

実際に契約している人から、

「レスポンスが早い」
「融資に詳しい」
「税務調査のとき頼りになった」

といった話を聞けるのは参考になります。

ただし、紹介だと、断りづらい、しがらみがある、というデメリットもあるでしょう。
その人に合う税理士が自分にも合うとは限りませんから。

税理士紹介会社は、私はおすすめしない

税理士を探すと、「無料で税理士を紹介します」というサービスがかなり出てきます。
便利そうに見えますが、私は基本的におすすめしていません。

税理士側は紹介会社へ高額な紹介料を払っています。

紹介会社によって条件は違いますが、成約した年間顧問報酬等の50%前後、スポットの案件なら70,80%の紹介料が発生するサービスもあると聞いています。

たとえば年間の顧問料・決算料が60万円だったとします。
紹介料が50%なら、初年度に税理士事務所へ残るのは30万円。70%なら18万円です。

高額な紹介料は、結局どこかで回収しなければならない

なかなか高額ではないでしょうか。
税理士側も、そのコストはどこかで回収しなければなりません。

  • 1人の担当者が持つ顧客数を増やす
  • 人件費を抑える
  • 1社あたりにかける時間を減らす

といった方向に圧力がかかるのは自然なことです。

もちろん、紹介会社を使っているすべての税理士事務所がそうだと言うつもりはありません。
ただ、高額な紹介料を払いながら、低価格で、手厚く、十分な人件費も払いながらサービスを提供するのは簡単ではありません。

私は紹介会社を使わず、自己発信にこだわっているのは、こういった理由からです。

営業、経営を自分でしている税理士に依頼するメリット

紹介会社を使えば、自分でホームページを作ったり、ブログを書いたり、紹介を増やしたり、営業したりしなくても、お金を払えば見込み客を紹介してもらえます。

それ自体が悪いわけではありません。

ただ私は、税務の知識だけではなく、自分の事務所をどう経営しているか、自分自身で営業したことがあるかどうかも、その税理士を見る一つの材料になると考えます。

選び方①:自分が求める仕事を扱っているか

ここからが税理士の選び方です。

まず確認したいのが守備範囲。
税理士は、全員が同じ仕事を同じレベルで得意なわけではありません。

病院でいえば、総合病院もあれば町医者もあり、眼科や皮膚科のような専門医もいます。

税理士も同じで、法人顧問を中心にしている人もいれば、相続を中心にしている人もいる。飲食店が多い事務所もあれば、IT企業が多い事務所もあります。

業界を理解しているかは意外と大きい

たとえば私は、IT・Web系の仕事は比較的理解しやすいです。

子どものころからパソコンを触っていますし、自分でもYouTubeやブログをやったり、いろいろなWebサービスを使ったりしているので、お客様から仕事内容を聞いたときにイメージしやすいからです。

逆に、私は車に詳しくありません。免許は持っていますが、ほとんど運転しないからです。

勤めていたころに、中古車販売業のお客様を担当したときは、車を自分で買った経験すらほとんどなかったので、専門用語や取引の流れを理解するところから始めて、苦労した覚えがあります。

業界の商習慣がわかっていれば、お客様が何を言っているのか理解するのも早いですし、こちらからアドバイスもしやすくなるでしょう。

税理士を選ぶときは、「○○業専門」とホームページに書いてあるかだけではなく、実際に話してみて、自分の仕事の話がどれくらい通じるかを見てみるといいと思います。

選び方②:「何ができるか」より「どこまでやってくれるか」

同じ税務顧問でも、サービス内容はかなり違います。

たとえば、

  • 記帳代行をしてくれるのか
  • 自計化が前提なのか
  • 年末調整は含まれるのか
  • 給与計算まで依頼できるのか
  • 償却資産申告は含まれるのか
  • 税務調査対応は別料金なのか
  • 融資の相談はできるのか
  • 経営相談はどこまでできるのか

などです。

「できますか?」だけではなく、「誰がやるのか」「顧問料に含まれるのか」「別料金ならいくらか」まで確認しておくと、契約後のズレがかなり減ります。

上述した「税理士に何を求めているか」を実際にやってもらえるか確認しておきましょう。

選び方③:相性を見る

最も大事かもしれないのが、人としての相性。
顧問契約を結べば、何年、場合によっては何十年と付き合う可能性があります。

  • 質問しやすいか
  • 説明がわかりやすいか
  • レスポンスの感覚が自分と合うか
  • 自分の考えを押しつけてこないか
  • わからないことを「わからない」と言える相手か

このあたりです。

税理士変更理由でよく聞くのが、「偉そう」「連絡が遅い」「何も説明してくれない」の3点セットです。

経営は順調なときばかりではありませんから、売上が落ちた。お金がない。変な取引をしてしまった。税務上まずそうなことがある。
そういうときに「税理士さんに相談しよう」と思えるかどうか、考えてみましょう。

選び方④:実際に誰が担当するのか

これは、ある程度規模の大きい税理士事務所を検討するときに確認したいところです。
最初の面談では所長税理士が出てきたけれど、契約後は別の担当者が窓口になることは普通にあります。

それ自体は悪いことではありません。

問題なのは、契約前に想像していた体制と実際の体制が違うことです。

  • 普段の窓口は誰か
  • 担当者は税理士なのかスタッフなのか
  • 担当者が答えられない相談は誰が判断するのか
  • 所長税理士へ相談できる場面はあるのか
  • 担当変更はあるのか

あたりを確認しておきたいところです。
私は、事務所の規模そのものより、「自分が普段誰とやり取りすることになるのか」のほうが重要だと思っています。

選び方⑤:料金は「いくらか」より「何が含まれるか」

料金の比較は難しいところです。

同じ月額3万円でも、

A事務所は記帳代行込み、年末調整込み。
B事務所は自計化が前提で、年末調整は別料金。

なら、単純に3万円同士を比較しても意味がありません。

項目確認すること
月額顧問料何が含まれるか
決算料月額とは別にいくらか
記帳自分で入力するのか、依頼できるのか
年末調整顧問料込みか別料金か
消費税申告追加料金があるか
税務調査立会報酬はいくらか
各種届出顧問料に含まれる範囲
相談回数・時間などに制限があるか

安い税理士が悪いわけではありません。

自分で経理をして、相談もそれほど必要なく、年に数回チェックしてもらえれば十分という考えなら、安いプランのほうが合理的です。

逆に、経理も相談も全部任せたいのに、金額だけで一番安いところを選べば、「思っていたサービスと違った」となりやすいでしょう。

税理士報酬は単純に金額だけで比較するのではなく、自分が必要なサービスを受けられるかどうかでも比較すべきです。

選び方⑥:連絡手段と仕事の進め方が合うか

意外とストレスになりやすいのが、日常の仕事の進め方です。

たとえば、

  • メール中心なのか
  • ChatworkやSlackなどが使えるのか
  • 電話中心なのか
  • Zoomなどオンライン面談に対応しているか
  • クラウド会計に対応しているか
  • 資料は紙なのかPDFなのか
  • 毎月報告があるのか、必要なときだけなのか

などです。

このあたりの感覚が一致するかどうか、確かめましょう。

選び方⑦:契約期間・解約条件も確認する

契約するときは、始め方だけではなく、終わり方も少し確認しておきましょう。

  • 契約期間はどうなっているか
  • 解約する場合は何か月前までに伝える必要があるか
  • 解約時に追加費用があるか
  • 会計データや過去資料をどう引き継ぐか

などです。

税理士は一度契約したら、一生変えてはいけないものではありません。

事業が大きくなって求めるサービスが変わったり、担当者との相性が合わなくなったりすることもあります。

最初から変える前提で契約する必要はありませんが、契約書に書いてある内容は一度確認しておいたほうがいいでしょう。

契約前に聞いておきたいこと一覧

最後に、面談で確認したいことをまとめます。

確認すること理由
自分の業界の顧問経験はあるか業界の商習慣や話が通じるか
自分が相談したい内容を扱っているか守備範囲のミスマッチを防ぐ
顧問料に何が含まれるか金額だけでは比較できない
決算料・追加料金はいくらか年間総額を把握する
実際の担当者は誰か面談した人と担当者が違うことがある
相談はどんな方法でできるか日常の使いやすさに直結する
レスポンスの目安速度感の相性を見る
クラウド会計等に対応しているか自分の経理方法と合うか
決算前にはいつ頃打ち合わせるか決算対策をする時間があるか
契約期間・解約条件将来変更するときのトラブルを防ぐ

全部聞く必要はありません。

自分が特に重要だと思うものを何個か質問すれば、その回答の内容や話し方から税理士の考え方もかなり見えてきます。

できれば2〜3人と話してから決める

最初に会った税理士が良さそうだからといって、その場で契約するかどうか。
私の考えでは、最低でも2人、できれば3人くらいと話したいところです。

2〜3人と話してみると、

「この人は説明がかなりわかりやすい」
「こっちは安いけれど、自分でやる範囲が多い」
「この人は自分の業界にかなり詳しい」

といった違いが見えてきます。

もちろん、最初に話した人が明らかに自分に合っていると感じれば、そのまま決めても問題ありません。
大切なのは、「紹介されたから」「検索で一番上に出てきたから」「一番安かったから」だけで決めないことです。

法人成りや会社設立なら、会社を作る前に税理士を探す

法人成りや会社設立を予定しているなら、税理士を探し始めるタイミングは、会社を作った後ではなく、できればその前です。

会社設立時には、

  • 株式会社か合同会社か
  • 資本金をいくらにするか
  • 決算月をいつにするか
  • 役員報酬をいくらにするか
  • 消費税・インボイスをどうするか
  • 個人事業の資産・負債をどう引き継ぐか

など、税務に関係する判断がいくつもあります。

会社を作った後では変えにくいものや、期限のある届出もあります。

私は、法人成りの相談は「法人を作りました。これからお願いします」より、会社を作る前に相談してもらったほうができることが多いと感じています。

会社設立後に必要な届出については、「法人成りの手続き・届出・必要書類まとめ」でも解説しています。

まとめ

税理士の探し方・選び方に、絶対の正解はありません。

私は、大きく分けて「守備範囲」と「相性」を見るのがいいと考えています。

まず自分が何を税理士に求めているのかを整理する。そこからGoogle検索や知人からの紹介などで候補を探し、実際に何人かと話してみる。

そのうえで、

  • 自分が相談したいことを扱っているか
  • 自分の業界や事業を理解できそうか
  • 話しやすいか
  • 説明がわかりやすいか
  • 誰が実際に担当するのか
  • 料金に何が含まれているか
  • 連絡方法や仕事の進め方が合うか

を確認します。

税理士は、申告書を作るだけなら年に数回しか関わらないかもしれません。

一方、顧問として相談するのであれば、何回も話す相手です。

そして、私は税理士紹介会社に高額な紹介料を払って探してもらうより、自分で候補を探して、何人かと直接話す方法をおすすめします。

当事務所でも、会社設立・法人成りから、その後の税務顧問までご相談いただけます。

サービス内容や料金については「税務顧問の内容・料金」のページで案内しています。実際にご依頼いただいた方の感想は「お客様の声」にまとめていますので、税理士選びの参考にしていただければと思います。

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この記事を書いた人

千葉県柏市の入野拓実税理士事務所。税務顧問、スポット相談、相続税申告に対応。税金計算だけでなく、会社と個人にお金を残し、数字を経営判断に役立てるサポートを行っています。

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